クライシス・オブ・アメリカ  (ジョナサン・デミ)  ★★★★

クライシス・オブ・アメリカ

リチャード・コンドン作"The Manchurian Candidate"の再映画化。(個人的に原作がある場合は、リメイクと言わない方がいい気がする)
最初の映画化作品はご存知の通り、ジョン・フランケンハイマー監督、フランク・シナトラ主演の傑作「影なき狙撃者」。ここで、前作のファンに悲しいお知らせが。 今回、トランプコスプレはありません。 残念ですねー。ですが、間違いなくこの映画も力作。
羊たちの沈黙」以降、バッファロー・ビルのゲイ描写への抗議活動等もあって、映画の面白さよりも、リベラルであることに重点を置いていた感があるジョナサン・デミフィルモグラフィーですが、今作に至って「リベラルの凄み」とでも言うべき物を獲得した気が。

ロジャー・コーマン門下時代に戻ったような、洗脳場面等の容赦ない描写の数々、冒頭からエンドロールまで、さすが「ストップ・メイキング・センス」の監督だぜ、と思わせる選曲、今回も当然参加している盟友タク・フジモトの撮影、ゴールデン・グローブにノミネートされたメリル・ストリープを始めとする役者陣の充実(リーヴ・シュレイバーっていい役者になったなぁ)、そしてよりリベラルになった主張、どれを取っても力が入ってます。ある意味、デミの集大成ともいえる作品。
絶対オススメなんだけど、「全国ユナイテッド・シネマで独占公開」てのは何だ? そんな映画館は知らんぞ。




※気付いたんだけど、俺ってデンゼル・ワシントンがすげー大好きみたいだ。考えると、今まで見たどの映画でもデンゼルを「違う」とか思ったことないもん。だから、正直デンゼルの悪口見ると結構、ムカつく(笑)。すげーバカだとか。本当かよ!