真夜中の弥次さん喜多さん (宮藤官九郎) ★★★★1/2

見たらビックリ。なんと前作から30年の時を経て作られたモンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル2」だった。
舞台こそ日本に移り、聖杯探索の旅がお伊勢参りに設定変更されているものの、続編である証拠にココナッツ馬とアーサー王が出るし、スタッフロールにはあぶり出しで「脚本協力:グレアム・チャップマン」の文字が。黒騎士小池栄子のしぶとさがちょっと物足りないのは残念だけれど、特に前半(の8割がた)は正編に勝るとも劣らないテンポと内容の濃さでパイソニアン感涙間違い無し。
あれ、もうネタ切れだ。
何はともあれ、後半徐々に割合を増し始める原作風味(というか映画でいうとデヴィッド・リンチ風味)に「コミックアレ」連載時からの大ファンとしてはやっぱり感動。当然そのせいで評価は分かれるんだろうけど。この点は原作の暗い部分をバッサリ切っちゃった師匠(?)松尾スズキと正反対。なので原作ファンも、というか原作ファンこそ必見。
そういえば、自分あんまテレビ見ないんで「大人計画の人がテレビで売れっ子脚本家になってる」と最初に聞いた時、当然松尾スズキのことだとしばらくの間、思っておりました。なんで宮藤官九郎だとひとっつも思わなかったのかというと、その当時見たことがあったクドカンの作品がグループ魂の活動と、確か「ウーマンリブ発射!」だけで、それがセリフの半分に「チ○コ」「マ○コ」が入ってる舞台だったんで「テレビの脚本をクドカンが書く」なんて選択肢が、全く思い浮かばなかったことアルよ。まあ、その後はテレビ脚本デビュー作の「親ゆび姫」始め(これは栗山千明主演だから見た)大概の奴は見る位のファンになりましたが。というか、いまだにクドカンも天才かもしれんが、こいつをテレビ界に引っ張ってきた奴の方が天才かもしれん、と思っております。