キングダム・オブ・ヘブン  (リドリー・スコット) ★★★★1/2

“Nothing…. everything!”

うわあサラディンかこええよおお。あとオーランド・ブルームを殺しに来た騎士団がクー・クラックス・クランに見えたよ俺は。ってこんなアメリカでヒットしないこと確定な映画を大金かけて作った人って偉いなあ誰だろプロデューサー、ってエンドロール見たらプロデュースもリドリーすか!(しかも単独筆頭)
最初の完成時には3時間40分あったとのことで、新鋭ウィリアム・モナハン*1が書いた脚本からは相当数エピソードが削られてる事は間違いないのだけれど、このドラマの薄さが非常に小気味良くて「グラディエーター」「トロイ」「キングアーサー」「アレクサンダー」といった他の歴史物では少なくとも必ず一回以上、船を漕いでいた俺が全く眠くならなかった。これは凄いぞ。(なんて後ろ向きの評価)ちょっと噂に聞いたシビラの子供の話なんて、もし映画にあったら相当盛り上がったと思うけど、正直そんな濃い話は削って正解だと思う。下手にドラマを増やす必要は無い。この絶妙のバランスが崩れるかもしんないもん。完全版も当然DVDで発売されると思うけど、リドリーにはこの劇場公開版を決して封印しないようにお願いする。…て書いて思い出したけど俺「ブレードランナー」の劇場公開版見たこと無いんだよな、そういえば。
あと、当然ラストのエルサレム防衛戦の石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石右石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石。途中に「右」が混ざっても気付かない位、大量にぶっ飛ばされる石、燃える石、でっかい石、ダンディな石! 石ってサイコー。小学一年の時、同級生に石投げて教師に顔を蹴られた俺は正しかった。やっぱり石って投げるもんだったのだ。石を制するものは戦を制す。もう「無能の人」なんてよばせない。1個300円です。おみやげにどうぞ。

*1:トリポリ(2007年公開?)」の脚本で脚光を浴びたらしいこの男、この後の脚本作はインファナル・アフェアのハリウッド・リメイク"The Departed"、ジョン・セイルズ(!)と一緒に書いたらしいジュラシック・パーク4が待機中