戦国自衛隊1549 (手塚昌明) ★★

いやあ、見たのが公開初日なんであんまり覚えてないんだけど、明日から「亡国のイージス」も始まるんで、なんか書いとこう(いい加減)。

この作品は一言でいうと、「交渉人 真下正義」の実写版「パトレイバー1」に続いて、実写版「パトレイバー2」である。が、前者同様問題が多々あり。というかあり過ぎ。
キャストが、柘植行人=鹿賀丈史南雲しのぶ鈴木京香、というのは正直結構いいんじゃないか、と最初は思ったのである。しかし、江口洋介が頂けない。いや、江口洋介が駄目なんじゃなくて、江口演じる鹿島の役柄って、どう考えても後藤隊長じゃなくて「荒川」なんである。それこそ森三佐こと、生瀬勝久あたりが、

「なあ、俺がここにいるのは俺が自衛官だからだが、あんたは何故的場の隣にいないんだ?」

なんてセリフをいつ吐いてもおかしくない状況なんである。が、全部見た方はご存知の通り、一応正義側の自衛官達は揃いも揃って全編小学生以下の白痴的なセリフしか与えられず、勝手に自滅していくばかり。せっかく過去から現代の日本を問い直そう、という的場の問いに対して誰一人としてまともに応えられず、全く対話が成立しないという世にも奇妙な摩訶不思議映画とあいなりました。
鹿島、お前はあの嘘くさい北村一輝サムライの言うことは聞き入れても(俺は途中まで、絶対サムライの変装をさせられた自衛官だと思ってたぞ)、的場の言うことに心惹かれないってのはおかしくないか? お前は今の日本がいやなんじゃなかったのか? というか、的場の今回のクーデターって全部お前の為なんだぞ、鹿島。戦国時代にタイムスリップしてしまった的場は考えた。このままじゃ、俺達はこの時代に置き去りだ… 俺達が未来にメッセージを伝える手段は歴史を変えることしかない。もし可能なら未来から俺達を止めに誰かがやってくるはずだ。そしてその中には間違いなく鹿島がいる。俺の元を去った鹿島が。そしたら俺は伝えよう。鹿島への俺の思いを。そして、二人で作り上げるんだ、新しい鹿島の望む日本を。そう、アダムとイブになるんだ、僕達は。




えー、結局何がいいたいのかというと、鹿島は一度、的場側につくべきだろう、この設定なら、ということであります。もちろん、それは的場をやっつける為だっていいんです。今のままだと、鹿島がこっち側にいる意味が薄すぎです。それが無理なら「Fユニット(先制攻撃可能も辞さないという鹿島・的場が所属していた部隊)廃止」みたいなエピソードはやめるべきです。分かりましたか?以上。

ちなみに、これを見にいくちょっと前にオリジナル版も見ましたが、劇中掛かる曲が全部恥ずかしすぎるので、まともに見てられませんでした。あと、的場浩司が出るのに、鹿賀丈史の役名が「的場」ってのは勘違いしやすいので、どうかと思います。こんなに文句ばっかりつけてますが、正直「ローレライ」よりは面白かったです。おわり。