ランド・オブ・ザ・デッド (ジョージ・A・ロメロ) ★★★★


 「ドーン・オブ・ザ・デッド」を見て「もうロメロはイラネ」と思ったクソ野郎どもをブチ殺しにロメロが帰って来た。「お帰りなさ…」頭ボスン*1
 やはり本家は違うな、と感じるは何よりゾンビの多様さ・アイデアの豊富さで、これこそ「ゾンビ映画」であり、結局「走る」のワンアイデアで押し切った「ドーン・オブ・ザ・デッド」は優れた「パニック映画」であっても、「ゾンビ映画」ではなかった、とすら思う。さすがに「20年間ゾンビ映画を一つも撮れなかった」のは伊達じゃないなあ、と感動。偉大なる先人の言葉を借りれば、「ゾンビには無限の可能性がある」のだ。ゾンビ万歳。ロメロ万歳。早く続編撮って。
 そういえば、自分の記憶が確かならば「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を「公民権運動」等に例える言説に対してロメロは「別にそんなこと考えてねえっす」と答えていたはずなんだが、いつのまにやら最近は自分の映画の社会性・思想性について、すすんで語りだすようになってしまった。これらの発言を「堕落」と思ってる人も多いと思うけど(自分もそうだった)多分、これはロメロのサービス精神の表れだと思う。だってみんな好きでしょ、そんな話(俺も好き)。それにこういう一目瞭然で至極真っ当な左翼革命映画って最近あんまりないもんな。
 なんにせよ、こんな映画を60代半ばのジジイが撮った、という事実だけで未来に希望が持てます。敬老の日におじいちゃん、おばあちゃんと一緒に見に行くのもよろしいかと。

*1:すまん、俺も思った。