ポセイドン (ウォルフガング・ペーターゼン) ★★★1/2
こりゃあ凄い映画だ。
表面的には「パニック映画でどこまで人間ドラマを省略できるか」というある意味実験映画といってもいい内容になっていて、これはこれで結構面白いんだが、更にその裏側で粛々と描かれているのが、あまりにも強烈な 「アンチSONY」 の精神なんである。
最初にこの事に気付いたのは冒頭、PSPを持っている子役を発見したから。一瞬、宣伝か?と思ったものの、よく考えりゃゲームやりながら脱出できる訳でもないし、この後このPSPが海の底に船ごと沈むのは自明。ここで、今回オリジナルからよりシンプルになったタイトル "POSEIDON" を思い浮かべた俺に電流走る(カイジ風)――
P O S E I D O N
↓
アナグラム
↓
O I D O N P S E
↓
Eをひっくり返す
↓
OIDON PS3
↓
おいどん、PS3
つまり、この冒頭15分で巨大な津波の前になすすべもなく転覆する超豪華客船「ポセイドン」号はなんと鹿児島帰りのプレステ3だったのだ!*1
そう考えると無駄に巨大な船体はもちろん、オリジナル以上にドッカンドッカン爆発しまくり、至る所が熱くて触れない船内がPS3の消費電力を揶揄していることや、確か8つあったバラストタンクがPS3のCPUであるCellの暗喩なこと、また「ロマネコンティ」を積んでいることからまさしく「高級レストラン*2」なこと、この映画のアメリカ公開日がE3真っ只中の5月12日、あの衝撃のPS3値段発表直後なこと等、全編SCEへの罵倒に満ち溢れた世にも珍しい映画である。おまけにラスト、ポセイドン号を脱出した全員が乗る救命ゴムボートの形は正六角形、つまりゲームキューブロゴ。*3
「PSPと共に海底へ沈み行くPS3から任天堂陣営へのゲームソフトメーカー達の決死の脱出劇」という真のストーリーがここで完結する。果たしてどのキャラがどのソフトメーカーなのか?やっぱりカート・ラッセルは顔が四角いからスクウェア・エニックスなのか? やっぱり元祖スネークだからコナミなのか? 俺すげー縁起悪いこといってるな。
結論としてこの映画を貶しているのは全員GKなので、*4見に行くかどうか迷っている人は今すぐ劇場へ行くべき。
あと、何故ワーナーがわざわざこんなSONY罵倒映画を作ったのかというと、「やっぱりブルーレイやめてHD-DVD一本で行きたい」てなことかもしれないぞ。