LAST SHOW -ラストショウ- (長塚圭史) ★★★★★

LAST SHOW -ラストショウ-

 映画ファンには「リアリズムの宿」の主演、としてお馴染み(?)長塚圭司の作・演出によるオリジナル舞台劇*1。出演は、北村有起哉永作博美中山祐一朗古田新太風間杜夫市川しんぺー
 家族とドキュメンタリーと暴力と今流行りの動物愛護その他もろもろを描いたこの舞台、一言で言って大傑作。こんな傑作だと誰か教えてくれればDVDを半年も放置せずすぐ見てたのに! まあ言い訳をすると長塚圭司の舞台ってこれまで一つも見たことないし、このDVDも送料無料にする為についでに買っただけなんだが。
 キャストは全員素晴らしく、特に風間杜夫が「蒲田行進曲」の銀ちゃんがそのままおっさんになったような見事なキレッぷりを披露していて、古田新太キチガイ演技合戦を繰り広げる様はまさに圧巻。物心ついた時には既に今テレビで見る風間杜夫しか知らず、後に「蒲田行進曲」を見てビックリした身からするとまさに感涙もの。そして終盤に入り、いい加減もうお腹一杯だよ、という所に登場してくる市川しんぺーに完全に度肝を抜かれ、それまでのどっちかといえばエログロな展開からは想像もできないある意味すっきりさっぱりした幕切れに完全にノックアウト土下座。参りました。
 小難しい理屈は抜きで本当に1から10まで面白い舞台なんで(特に風間杜夫登場以降は一瞬もつまらんところないな)「舞台なんて見たことない」ていう人に是非見て欲しいところなんだけど、多分レンタルはしていないはずなんで、わざわざ6800円払ってDVDを買わなくちゃならん*2というのが敷居高すぎで問題。