エコール (ルシール・アザリロヴィック) ★★★★

エコール

 映画の全編に渡り6歳〜12歳の女の子たちが真っ白のチュチュを着てバレエを練習したり、森でキャッキャと遊び戯れたり、川辺にて裸で水浴びしたり、寮の中を半裸でウロウロしたりするマニア必見の"innocence"が某押井映画と被るのでタイトルを変更して(「エコール」は元のタイトル候補だったらしい)やっとこさ日本上陸。
 いやまあこの映画をそんな児童ポルノまがいの煽り文句で紹介するお前は死ね、と言われても仕方ないところではあるが、一つ声を大にして言いたい事は少なくとも自分はこの映画を決してポルノの代替品として見ているのではなく、ポルノそのものとして見ているのだと(まあ厳密には「エロチカ」だな)。つまりこういうのが一番好きなんだと。もっともっとこういう映画が見たいんだと。日本でリメイクとかアメリカでリメイクとかしろと。なんだ只の変態宣言かこれは。
 あまりにも気に入ったので、人形写真集(Ecole(エコール)―Les poup´ees d’Hizuki dans l’Ecole)や原作本(ミネハハ)も既に買っちゃってる訳ですが、人形写真集は映画のシーンを人形で完全再現という、二重にも三重にも倒錯した代物でしてこれも中々良い出来でとてもエロい。最後の2ページには映画撮影時のスナップ写真がズラッと並んでいるんですが、これがまた何故かポラロイド写真なので、どう見ても犯罪の匂いがプンプンする代物になっていて大変です。オフィシャルサイト*1のギャラリーにもその写真が載ってるんで、気になる人は見てみるが吉。でも会社ではやめたほうがいいよ。
 あと、この映画の原作「ミネハハ」はオフィシャルサイトで「サスペリア」の原作でもある、と書かれているんだけど正直そんな話は始めて聞いた。トマス・ド・クインシー(「阿片常用者の告白」の人)が「サスペリア」の隠れ原作だとは聞いたとこがあるけど、このフランク・ヴェデキントの小説についてはIMDBにも載ってないので、本当?とちょっと疑問。確かに内容としては納得できるんだけど。本の訳者は何故か市川実和子で(俺より年上だと初めて知ったぞ)下訳があるからだとは思うけど、そんなに変な所はない普通の訳でした。
 あ、結論としてはこの映画を一人で見に来る男は犯罪者予備軍なので全員逮捕すればいいと思います。