トゥモロー・ワールド (アルフォンソ・キュアロン) ★★★★1/2

 クリムゾン・キングの宮殿」の中には「ゲルニカ」と「ダビデ像」と「『アニマルズ』の豚」があるのだ!
 という、衝撃的事実(?)が明らかになるP・D・ジェイムズ原作の(監督は原作読んでないらしいね)SF大作。徹底的に主人公クライヴ・オーウェンの視点で語られる為、必要以上の情報は観客に与えられず、邦題に騙された観客(結構いた見たいなのでやっぱりこの邦題で良かったと思う)は唖然とすること請け合いの傑作。
 「子供が誕生しなくなった」だけで何であんなに殺伐としてんの?と思う向きもあるようだが、よく考えてみよう。子供がいないということは当然女の子もいない。そして最年少のガキが18歳ということは、この世界には18歳未満の女の子がいないということなのだ。
 まさに逆「エコール」。まさに地獄。荒れるのもやむなし。
 まあ、なんにせよ間違いなく映画館で見るべき作品なんで、あと2回は見る予定。多分、そんなに長い間上映しないと思うんでお早めに。あ、同じこと思った人が結構いるだろうけど、ラストは役所広司が出てくるんじゃないかと思ったぞ。