パプリカ (今敏) ★★★1/2

 オープニングクレジットからも分かるとおり、映画のはじめから現実と夢の境が限りなく薄く設定されていて、結果二つが融合する瞬間にもほとんどカタルシスが無い…のは確かに問題な気もするけれど、そこに力を入れて「押井かよ!」と言われることこそ今監督はいやだろうし、「東京ゴッドファーザーズ」ほどの傑作とは言えずとも単純に90分間眼福な娯楽アニメとして仕上げた手腕は上出来だと思う。現在、原作を久しぶりに読み直し中。