今宵、フィッツジェラルド劇場で (ロバート・アルトマン) ★★★

 水曜1000円だから混んでるだろうなあ、でも俺も金あんまりないしなあ、といそいそ出かけたところ予想通りほぼ満席だったので「全く、この貧乏人どもめ」と罵倒しながら(嘘)鑑賞。
 「自殺に関する歌ばっかり作ってる」とのたまうリンジー・ローハン演じるローラが、いざステージで歌おうとした瞬間、"Suicide is painless♪"*1が頭に流れたのは俺だけではないはずで(実際ここで歌ったら引くけどな)、なまじアルトマンの遺作となってしまっただけに、どうも冷静に見ることができなかった。
 話自体も公開ラジオショウの最終回を描いたものだし、まんま途中で老人が突然死ぬし、当然アルトマン自身は遺作と思って撮ってなかったはずなのにこの符合の数々は何だ。まだアルトマンが亡くなってさえいなければ、ジョン・C・ライリーとウディ・ハレルソンの下ネタ連発芸や、ケヴィン・クラインのコケ芸や、意外と歌が上手いメリル・ストリープとリリー・トムリンの「アメリカの由紀さおり安田祥子」ぶりや、リンジー・ローハンの「ファミリー・ゲーム/双子の天使」以来の可愛さ(メガネとアップが無いせいだろうか)を堪能できたんだろうけどなあ。残念だなあ。

*1:MASHの主題歌。作詞:ロバート・アルトマン