ハッピーフィート (ジョージ・ミラー) ★★★★

 字幕版にて鑑賞。去年、予告を見たときから凄く楽しみにはしていたんだけど、実際見たところ、こちらの「3DCGペンギンミュージカル」という予想を遥かに超える問題作でその実体は「何故社会のはみ出し者がエイリアンに魅かれ、そして拉致(エイリアン・アブダクション)されるのか」という事実に迫る戦慄のルポ・ドキュメンタリーだった。いや、これが俺の妄想じゃなくて、ちゃんと劇中で言及されているのだよ。本当に。
 実際、主人公がエイリアンに拉致されて頭がおかしくなる場面は、子供に見せちゃいけません!と俺ですら思ったほどで、その問題を何と監督のジョージ・ミラーは「動物愛護」の薄皮一枚を被せてクリアしてしまうというまさにマッド・マックスな裏技。こりゃ、確かにアカデミー賞取るわ。まあ、実際にはそんな実体に気付かなかった面々が「動物愛護」の薄皮で投票したんだろうけどな。
 正直、ハッピーエンドなんだかそうでないんだか良く分からんので、見終わった後、とても気分がモヤモヤするんだが、更にもやもやさせるのが、まさかこんな映画だとは思いもしなかったんで、ジョージ・ミラーの「エイリアン・アブダクション」に対する態度がいまいち分からなかったところ。もう一回見れば分かるんだろうか。ちゃんと映画雑誌はインタビューでUFOについて質問してるか?