バベル (アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ) ★★★

 毎度おなじみ、イニャリ亭ゴンサレス(9代目)の三題噺*1
 今回のお題は「日本」「メキシコ」「モロッコ」。さすがに厳しいお題のようで、「モロッコで銃を撃ったらリンコがスッポンポン」レベルの綺麗にまとまった小咄を期待して見に行った自分としては、「21グラム」や「アモーレス・ペレス」と比べてもゆるゆるでまとまりのない出来に正直ガッカリ。
 最後リンコの母の死の真相が明かされるシーンでは、あれ、同じ銃な訳は無いし何でこんな設定に…と思ったところ、パンフには同じ銃と書いてるらしいんだな、これが。パンフの間違いであって欲しいんだが、そんな銃持ってモロッコに猟に行く訳ないし、さらにその不吉な銃を現地のガイドに押し付けるなんて、よっぽどそのガイドが気に食わなかったとしか思えん。まあ、ゆるゆるならゆるゆるでもいいんだが、このゆるゆるこそ映画が閉じてない世界への広がりの証拠だ!と言わんばかりな雰囲気を(勝手に)感じたので、前々から思っていたことなんだが、監督は読みにくい「ゴンサレス」をおとなしくゴン「ザ」レス表記にすべき。
 まあ、ミニ「シェルタリング・スカイ」とミニ「ラブ&ポップ」と、えーメキシコ編は何だ…ミニ「眼には眼を*2」の「ヘイ、三色丼お待ち!」とでも考えればそれなりに面白いけどな。

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%A1%8C%E5%99%BA ←今これ見て「芝浜」が三題噺だと初めて知ったぞ。

*2:傑作。