オープン・ウォーター (クリス・ケンティス)

OPEN WATER

あらすじ:スキューバ・ダイビングツアーに出かけた夫婦が、コンダクターのミス(数え間違い・笑)により、ダイビング・ボートに置き去りにされてしまう。そんな海上で戸惑う二人の周りに、お腹をすかせたサメが次々と現れましたとさ。



うう、おしい。なんというか「SAW」に求めていたけど、得られなかった物の萌芽が見られた、という感じ。
大海原に救命胴衣一つで残された二人。360°水平線に取り囲まれた彼らにとっての脅威は、万人に平等な処刑機械「肉食鮫」と、ただ物理法則に従い彼らの体内への侵入を試みる「母なる海」この二つ。この「脅威」はただ、普段の日常を繰り返しているだけで、「SAW」の犯人のように「倫理」なんて概念を振りかざす事は無い。よって、この映画で過去は全く意味を持たず、「SAW」のように回想がはさまれることはない訳ですな。
さらに同じく「低予算」を謳いながら、ダニー・グローバーモニカ・ポッターなど有名役者も出演していた「SAW」と比べると、この作品は完璧に無名の役者陣で作られていて、その分かなりチープ。ただ、低予算ホラーの場合、チープさが映画にある種の「スナッフフィルム」的な力を与える場合があって、この映画もそこらへんを意識して作れば、もっと面白くなったと思うんだけどなあ。せっかく本物の鮫使ってるんだし。なんというか、「この映画の撮影って一歩間違えれば、この話まんまな事態が起こっていたに違いないよな」と思わせるテクニックというか。あ、普通に映画として見た場合、「SAW」の方が当然面白いんですよ。だから星はせいぜい、★★★だな。
日本公開は初夏。