Twentynine Palms  (ブリュノ・デュモン) ★★★

Twentynine Palms

ユマニテ」「ジーザスの日々」のブリュノ・デュモンの第三作(2003年作品)。
物語は有って無きが如し。一組の男女カップルのロードムービーで、彼らは行く先々でセックスをする。ホテルでセックス。プールでセックス。青空の下でセックス。(なんか書いててむかつくので、これからは「ゼビウス」と書くことに決定)
時々ケンカもするけれど、仲直りをすれば一緒にゼビウス。そんなゼビウスだらけの毎日が映画の大半を費やし描かれた後、突如襲い掛かる圧倒的な暴力。何の前触れもなく訪れたこの理不尽な暴力の前に二人はなすすべもなく組み敷かれる。そして抵抗しようと考える間も与えずその暴力は二人の上を嵐のように通り過ぎ去って行くのだった。




いやもう衝撃。何が衝撃って、俺このDVD買ったつもりじゃなかったんだ。俺が買ったと思ってたのは"29 palms*1"って映画で、これはどんな映画かというと、レイチェル・リー・クックが出てる映画なんですよ。だから、俺この映画途中まで「一体レイチェル・リー・クックは何の役で出るのだろう」と思いながら見てたもん。そりゃビックリするわ。
実際どの程度衝撃的かというと、この映画で暴力描写があるのはラストの数分だけなんだけど、IMDB*2のジャンルで「ホラー」に分類されているほど。こえー。実際、凡百のホラーが束になってもかなわないことは間違いないです。
日本公開はされるのか分からんけど、興味本位で見ることは本気でお勧めしません。何故なら、例えばギャスパー・ノエのような山師と違って、この元哲学の先生だったブリュノ・デュモン監督は本気らしいから。本気で暴力、そして暴力が与える影響を描こうとしてるみたいなんですよ!困ったことに。あー困った困った。