ブラザーズ・グリム (テリー・ギリアム) ★★★1/2

 今年のベネチア映画祭で、特にコンペでの評点が悪かった二本を続けて見た。
 評価悪いのも見て納得、だってどっちもバカ映画。これはコンペに入れる方がおかしいわ。
 全編、マット・デイモンヒース・レジャーの兄弟どつき漫才と、更にもう一組、拷問大好きピーター・ストーメア、そして今や「未来世紀ブラジル」での抑圧される側から抑圧する側にきっちりジョブチェンジした、ジョナサン・プライスの上司・部下拷問漫才の漫才合戦が延々と繰り返される。当然、ギリアムだから合間合間、無駄に怖い描写が挟まれ、最後も「恋におちたシェイクスピア」みたいに創作活動へと繋がるきれいな終わり方をするのかなー、と予想したらなんかグダグダ。いや、でも全編ギリアムらしくて面白かったよ。「タイドランド」も、もうすぐ見れるし(だよね?)。
 で、ケラケラ笑って見た後、エンドロールの途中突然、感動の瞬間が訪れた。
 セカンドユニット監督に、何と"Michele Soavi"の名前が。
 そう、'94年に傑作「デモンズ’95」を監督した後、知的障害を負った息子の介護の為、惜しまれながら映画界を離れたあのミケーレ・ソアヴィ! 帰ってきてIMDBを調べたら*199年からテレビ界には復帰していたことが判明。そして、今回のセカンドユニット監督を経て遂に来年には新作が! これ知っただけでも、見に行って本当によかった… 起用の経緯は分からないけど、ギリアムにも感謝するぜ。

追記:今、IMDB見て初めて知った。ソアヴィって「バロン」のセカンドユニットも監督してるんだ。うわー、意外と思った組み合わせにこんな昔から繋がりがあったとは…