イン・ハー・シューズ (カーティス・ハンソン) ★★★★

 カーティス・ハンソン(「L.A.コンフィデンシャル」「8Mile」)の新作。スコット・フリー製作なので、プロデュース陣にはリドリー・スコットトニー・スコットの名前も。
 内容は強引に言えば女性版「ワンダー・ボーイズ」といった按配で、男の自分にとっては「ワンダー・ボーイズ」程の大傑作、とまではいかないものの(本当に傑作なので見てない人は是非)相変わらずこの監督何やっても上手いわ、と終始感心。
 役者陣では前から好きなんだけど、やっぱりトニ・コレット最高。この人の「映画で綺麗に撮られたい」という願望の無さは今回も顕在で、来日時に撮ったメッセージが流れる予告での姿はとてもローズを演じた人だとは思えない。知らない人だとわかんないよな。
 そういえば、トニ・コレット主演の未だ日本公開がされていない「Japanese Story」って佳作があって、一言で言えば「逆ロスト・イン・トランスレーション」といった映画なんだけど(制作はこっちが先のはず)正直、日本や日本人の描写は「ロスト〜」と比べるとこの映画の方がステレオタイプで酷い。でも、終盤トニ・コレットが顔をクシャクシャ(誇張無く本当にクシャクシャ)にしながら下手くそな日本語を喋るシーンで、めっちゃ感動したの。本当このシーンだけで「ロスト〜」に足りない物の全てがある、といっても過言ではないんで、早くビデオスルーでもいいからどっか出してくれんかな。ちなみに音楽は坂本龍一だった。