The Descent (ニール・マーシャル) ★★★★1/2

 祝、英国インディペンデント映画賞*1監督賞受賞。*2
 今年度の他のノミネート監督が、マイケル・ウィンターボトムスティーヴン・フリアーズ、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスといったメンツで、これまでの受賞者もケン・ローチマイク・リーといった大御所揃いなことからも分かる、このとっても気取りまくりのいけ好かない賞を、まだ2作目の新人ホラー監督がかっさらうという最高に痛快な偉業。確かにデビュー作「ドッグ・ソルジャー」で一部マニアを大喜びさせた実績はあるものの、次作でこれほど大輪の花を咲かせようとは誰が予想したであろうか。
 いや正直、作品賞を獲ったと聞いても(ノミネートはされてた)納得の「ホラーとしては」とか「低予算にしては」とかいった注釈不要、全映画ファンの首根っこを捕まえて拷問椅子に縛り付けてでもお薦めしたい傑作。物語の描写は避けるけど、変化球無しの限りなく純粋なホラーであるにも関わらず(いや、それ故に)、その完成度に圧倒されラストカットと同時にえもいわれぬ深い感動を覚えてしまった。もう落涙寸前。
 満点じゃないのも星を減らしたんじゃなくて、映画館で見た時の為にとっておきたかったから。いやもう、完全に真っ暗な映画館で堪能して頂きたい。非常口の明かりが気になるような映画館は不可。というか、俺が堪能したいので、早いとこ公開して下さい(俺も見れるようにできるだけでっかい規模で)。
 もしも… いや、そんなことは万が一にも無いと思うけど、ビデオスルーなんて事態になったら、まあ署名運動とかはしないけれど、決めた奴には「夜道、背後に気を付けとけよ」ぐらいは言うね。(いや言わないよ!)
 そういえば、山形浩生氏も絶賛してた。(9月25日付)


*1:公式ページ。でも、まだ載ってない。訂正:あ、載ってた。:http://www.bifa.org.uk/

*2:http://www.allcinema.net/prog/news.php