燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY (細野辰興) ★★

 いや、これは凄い。
 何が凄いって、冒頭中井貴一が乗る車の後部座席から覗くアメリカの景色。これがいわゆるスクリーン・プロセスで撮られているんだが、この完成度が凄い。自分はこの種のショットの嘘には比較的寛容な方だと思ってるんだけど(だから昔の映画も平気)、それでもこれは戦中に作られた映画ですか?と聞きたくなるほど完成度が凄い。この凄さは劇場だと衝撃度倍なので是非劇場で。実際、この種の衝撃では「シベリア超特急」1作目の列車の外描写以来だ。
 内容はね、ええ「プロジェクトX」ですよ。でもこの種の日本映画では原田眞人監督が既に名人芸を見せている訳で、そのレベルで見るとやはり厳しい。それでも、木下ほうかが度重なる注文にキレて製品に毒成分配合、結果アメリカ人30万人死亡シーン、等の妄想を逐一働かせながら見たので楽しかった。でも一箇所、辞表を巡るシーンが非常に理解不能で不愉快だったので★2つ。


・追記

2ちゃんのスレで、「和製キャプラ」との指摘を発見して(37-38)目からウロコ。
そうか、プロジェクトXと思いきや"Mr.Nakai Goes To America"だったのだ。それでスクリーン・プロセスもその時代の技術を再現したのだな!と納得(え?)。