ナルニア国物語〜第1章:ライオンと魔女 (アンドリュー・アダムソン) ★★

 原作は未読。
 予告編にて「アダムの2人の息子とイヴの2人の娘」という字幕を見た時点で、ちょっと顔が赤くなる設定だね、と思ってはいたんだけれど本編を見ると、思っていた以上に本気な聖書的世界でちょっと引いた。帰宅後調べたら、実際原作者のC.S.ルイス神学者だそうで、これを事前に知ってれば多少の覚悟は出来ていたのになあ、とちょっと後悔。
 なんで引いたかというと、この「タンスの中から通じている広大な異世界で繰り広げられる子供達だけのアドベンチャー」という設定は日本だとドラえもん劇場版」という先駆者*1が既にあるからで、こちらは「ドラえもん」という「22世紀からやってきた、ひみつ道具持ち過ぎ猫型ロボット」がいるだけで設定が全て完結してしまうのに対して、このナルニアは「ドラえもん」の抜けた穴を前述の「アダムの〜」他、キリスト教世界観で穴埋めしなければならないから。そんなこと普通の日本人にはめんどくさすぎます。実をいうと、このナルニアにも「ドラえもん」的登場人物は現実世界とナルニア内にそれぞれ一人ずついるんだけど、どっちも一瞬現れるだけで一緒に旅はしない(もちろん、これは教授とサンタのこと。もしかしてこの2人一緒の人が演じてた?)。
 監督のアンドリュー・アダムソンも「シュレック」のような批評性は皆無でこの原作に挑んでいるので、キリスト教の為の物語と認識しておかないと日本人なら「えーっ」な展開も有り。原作未読者はそこらへんの覚悟をしておいた方がよいでしょう。結論としては、ティルダ・スウィントンファンならどうぞ、もしくは「のび恐*22006」楽しみ、ということで。


 あ、そういえばテレビ放映時にわざわざチャンネルを変えてまで楽しみにしていた「ゲド戦記」予告が流れなかったよ… これだから田舎は。

*1:もちろん、原作「ナルニア」の方が先だというのは承知。日本人にとって、ということね。

*2:のび太恐怖新聞