夜のピクニック (長澤雅彦) ★★1/2

 久々に映画館で「映画ではない何か」を見た。
 自分は結構純粋にスクリーンの力を信じている所があるので、大抵の映像であるならば劇場のスクリーンに映すだけで否が応でも映画になってしまう、と思っているところがあるんだが、この映画の(全てではないものの)いくつかのシーンでは明らかに映画ではない別の物がスクリーンにそれぞれ一瞬ながら映し出されていた。
 それは何かと尋ねたら、まあ一般的に「テレビ」ということになるのだろうが、真っ白いスクリーンに反射光で映し出されたテレビ、とはもうそれを「テレビ」と呼ぶ訳にはいかないので、やはり「映画ではない何か」が適当なのだろう。つまりこの映画(含む映画以外)を一言で表すと「100年に渡りスクリーン上を不当支配してきた『映画』に対するある一人の監督の宣戦布告もしくは開放宣言、その手引書たる演出術の(僅かながらの)勝利の記録、そして骸」である。段々何かのパロディみたいな文章になってきたぞ。よく頑張った>俺
 まあ、そんな貶してるんだか褒めてるんだか訳わかんない事を書きながらも、実は全体として結構楽しんだのは俺が「HINOKIO」見て以来の多部部部員(たべぶぶいん)だからな訳で、部員なら多部ちゃん見てるだけでお腹いっぱいになれるからお勧め。どっちやねん。