Gガール 破壊的な彼女 (アイヴァン・ライトマン) ★★★1/2

 「あれ、この映画ってすげー下らなくね?」
 と、予告編はおろか前知識が全く無い状態で鑑賞したところ、始まって数分でそう思ってしまった訳ですが、映画が進むにつれ、この映画が一点の曇りも無く天地神妙に誓って余すところ無しに純度100%の確信を持って作られた下らなさで満ち溢れていることを理解するに至り、ただただ感服した。
 パルプ・フィクションユマ・サーマンが演じていたミアが女優として出演していた物凄く下らない映画として劇中で使用されても全く違和感が無い下らなさ。果たして21世紀の現在、ここまで純粋に下らない映画を作ることの出来る監督とは一体何者だろう、とエンド・クレジットを注視したところ、アイヴァン・ライトマンだったので非常にビックリする。正直、こんな下らない映画が作れる監督だとは思いもしなかった(前作「エヴォリューション」は純粋につまらない映画だったしな)。息子の監督デビューで奮起したのか(そういえば「サンキュー・スモーキング」結局、見にいけなかった)これが多分、最高傑作なんじゃないのか?
 …て、今フィルモグラフィー*1見てビックリしたけど、この人の映画キャリアってクローネンバーグのプロデューサー兼作曲家なんだな。うへえ。あ、あとこの映画はノーラ・エフロンの色々凝り過ぎだった「奥様は魔女」に対する返答ではないか、とも思ったりもした。