決闘！高田馬場 （三谷幸喜） ★★★★

　正しいタイトルは「PARCO歌舞伎　決闘！高田馬場」ということで、後の赤穂浪士四十七士の一人、堀部安兵衛武庸の有名な「高田馬場の決闘」のエピソードをモチーフにした三谷幸喜・作演出、市川染五郎・主演によるオリジナル歌舞伎。
　正直、こんなに本格的な「歌舞伎」だってことを知らなかったのでDVDを再生してすぐに「あちゃー、失敗した」と思ったりもしたんだけど、いざ見終わってみるとついつい曲を口ずさんでしまうほど歌舞伎のリズムが心地よくて、本当に三谷幸喜って人はコロンボだミュージカルだグランドホテルだ十二人の怒れる男だと何でもかんでも色々挑戦するわりには、散漫な印象が無いのは凄い、と素直に感心する。もちろん、歌舞伎の本格的な形式をきっちり踏襲している訳ではないので、副音声で三谷幸喜が「こういう演出が成立するのは歌舞伎の凄い所」と言えば「いや、歌舞伎でこんなのはない」と市川染五郎に突っ込まれていたりもする訳ですが、素人目には本当にただの「面白い歌舞伎」なので入門編としても最適なんじゃないでしょうか。適当。