花の谷 -時空のエロス- (パン・ナリン) ★★

 もしあなたがトンデモ映画ファンなら、今すぐレンタルビデオ屋の新作棚でこのタイトルのビデオ・DVDを探しに行くべきである。










 …行ったか? 以下ネタバレ。
 サブタイトルを見れば分かるとおり、いわゆる時空を超えた恋愛物。最初の舞台は「19世紀のヒマラヤ」。盗賊団のボスである主人公と謎の美女であるヒロインとの怪しくも危険な愛の行く末が描かれる。そして二人の愛は第一のトンデモな展開を経て悲劇的な終わりを迎え(この時点でトンデモだと知らずに見た自分は、まだ時間がたっぷりあるよ!と驚く)、第二の舞台「現代の東京」へと移る。というか、どうもこの主人公、ヒマラヤから東京まで歩いて行った。
 さっきまでヒンズー語をバリバリしゃべっていた主人公は、突然日本家屋にやってきて日本語をペラペラしゃべる。そう、彼は今や東京にて「自殺幇助ビジネス」を手がけ大成功を収めた実業家なのだ。…で、この後もある意味もはやお決まりである「ザッツ・トンデモ・エンタテインメント」が炸裂。トンデモだと知らずに見るとどれもこれもインパクトは大。知っててみるとタダのつまらない映画だとは思うが。
 前から思っていたが、地力のあるトンデモ映画は何でもないシーンからトンデモに満ち溢れている。この映画でも何でもないはずのエレベーター内のカットがやけに気になったので見直した↓

縦に読むと「乗員量禁定重」横に読むと「乗定員重量禁」どっちも意味が分からん。中国のエレベーターなんだろうか?それでも意味が通じない気もするが。

屋上から道路を見下ろしたカットなんだが、やけに「止まれ」が目立つよなあ、と思っていたので見直したところ右側通行だった。そういえば「止まれ」の字も何か下手。これもやっぱり中国なんだろうか。わざわざ道路に貼ったのか、と思うと何故か感動的。

↑最後に、ヒマラヤ編、東京編両方に登場するお気に入りキャラの門天王さん(嘘)。