オリヲン座からの招待状 (三枝健起) ★★★1/2

 実は公開初日(11/3)に見たんだが、「三丁目」「バイオ3」「恋空」で今まで見たことが無いほどごった返したシネコンにもかかわらず、この映画の客は数人というリアルオリヲン座状態で鑑賞。
 こんなに万全の準備が為されているもんだから、マジで号泣した。やっぱり映画は映画館で見るのが一番だ。というかこの映画、現代と昭和三十年代後半の二つの時代が描かれているのだが、思わずビックリしてしまう程これ以外の時代が全く描かれないので、原作通りなのかもしれないが、その潔い切り捨てに大変しびれた(普通の日本映画だったら絶対この間に向かいの店主との和解シーンがあるので、多分そこで醒める)。
 まあ、どうでもいいことなんだけど一つ気になったのが、昭和三十年代後半という設定の劇中で、加瀬亮演じる主人公が「役不足」を誤用しているシーンがあって、基本的にそういう誤用を気にしない(呉智英にもし会う事があったら、「全て」の意味で「すべからく」を使ってみるつもり)自分も多少びっくりした。が、もしかすると役不足の誤用はこの頃から始まっていた、という綿密なリサーチに基づいたシーンかもしれず、もし本当にそうなら、俺の感覚だと戦後間も無くから誤用され続けているのなら、もはや誤用の方が正しいと思うんだがどうか。あと「からだであそぼ*1」のあかりちゃんが出ているので、いつも「ケイン・コスギうらやましい」と思っている人は必ず見るべき。