THEM ゼム (ダヴィド・モロー、ザヴィエ・パリュ) ★★★1/2

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 「実話の映画化」という映画のジャンル、というか括り方がある訳だが、この映画は冒頭で宣言される通り、2002年に起こったある事件をもとにした映画化である。日本版の予告*1でもその点は大々的に触れられているので、あえて書いたが、なんか最近こういう「実話の映画化」という前提が自分の評価軸に与える影響の大きさがイヤでイヤで、どうにかこの点で全く影響を受けずに映画の好き嫌いを判断したい、と思ってはみるものの、それっていわゆるハスミンちっくな方向にいくしかないんじゃないか、でもそれ無理だし、と悩むこと多し。ムーン。
 この映画も完全にフィクションと思って見れば、ネタは某有名カルトホラーという先駆者があるので、どうってことないといえばどうってことないんだが、「実話の映画化」という前提があるので、それ故に衝撃度が上がったり、映画としての未完成部分が補完されてしまう、という「ちょっとずるいよー」な点があって…
 まあ、何が言いたいのかというと、「実話の映画化」に対して俺はどう立ち向かっていけばいいのか、この年になって分からなくなってしまった、ということである。
 ちなみにネタバレすると、主人公カップルを襲う謎の存在の正体は、実はタイトルからも丸分かりの通り、妖怪人間ゼム・ゼラ・ゼロである。