ハンコック (ピーター・バーグ) ★★

先行上映を見に行ったところ、何故か上映が一日一回だったこともあってほぼ場内は満席。見たところ、アメリカ人が客の1/4位を占めていて、映画序盤はとにかく館内でメリケンの皆さん大爆笑。自分もメリケンに負けじと大笑い(一度、字幕でオチ先読み笑いで顰蹙を買う)していたところ、映画半ばの転換点で館内の空気がガラリと変わる。
正直、この時点ではまだ大丈夫、これは多分「夫婦喧嘩」で「地球崩壊」話へと移行するに違いない!すげえ楽しみ!等と思っていた自分も、突然出現するハンコックの弱点に関する新ルール(一応伏線はあるが)に唖然。
間違いなく「『ハンコック』を最もつまらなくするハンコックの弱点コンクール」金賞を受賞したこのルールにより勝手に弱くなったハンコックことウィル・スミスは、その弱点の存在を知らない悪党によって絶体絶命のピンチへ陥るという(レックス・ルーサークリプトナイトを知らずにスーパーマンへ肉弾戦で襲い掛かるようなもんだ。ありえねえ)どうでもよい展開で、あれほど前半盛り上がった観客を完全に置き去りにしたまま、クライマックスへ一人突き進む!スミスさん待って、忘れ物!(俺たち)
…まあ、「アイ・アム・レジェンド」といい今作といい、ただのオレ様映画と切って捨てる事も出来ようが、マイク・マイヤーズも"Love Guru"で大コケした今、もはやハリウッドで唯一生き残っているマネーメイキングスターといっても過言ではないウィル・スミスが抱える孤独を表現した作品として、後世の歴史家は最近のトム・クルーズとの付き合い等とからめて評価するかもしれない。本当に後半つまらないけど。