神様とその他の変種 (ケラリーノ・サンドロヴィッチ) ★★★★★

・5月4日 18:00〜 下北沢 本多劇場D列にて鑑賞
結婚記念という訳ではないが(チケットは結婚発表数日前にとった)、本当久々にKERAの舞台を生鑑賞。
驚くべき事にここ10年ほどの間、(具体的には「ナイス・エイジ」くらいから)KERAの手がける作品にはハズレがない。もちろん、自分が舞台とは無縁の東北片田舎在住ということもあり、意外と多作なKERAの舞台を全部逃さず見ている訳ではないが、DVDやスカパーで6,7割方はカバーしている俺に言わせると、現在のKERAは脅威の10割バッターである。「罪とか罰とか」も大満足(★★★★)であったし、著書「映画嫌い」も映画スタッフ罵倒(具体的には「グミチョコ」プロデューサーと「罪罰」ADセカンド、サード、フォース)が最高なのでみんな買えば良いと思う。
そんなKERAに現在匹敵するのはイーストウッドぐらいなもので、イーストウッドかサンドロヴィッチか、ケラリーノかクリントか、という掛け声が常日頃から俺の頭の中ではこだましているくらいだ。嘘だが。
今回も過剰な期待を胸に秘め、その期待が破られた暁には際限無く罵倒してやろうと劇場に向かったのだが、無駄な試みだった。1から10まで全ての点で満足である。何一つ「ここは違う」「これはちょっと」という部分が無いので、とりたてて一部分を取り上げる気もしない。しいてあげれば下着姿で登場する研究生(だよな?)の女の子が直視しづらいほど妙になまめかしくて、観客席全体が極度に緊張した瞬間が忘れ難い。どうもKERAに対する信頼感の高さゆえか、この種の緊張を感じることが珍しいのだな多分。そういう意味でも研究生が多数出演するみたいな次回作(タイトルも「未完成」原作:カフカ作品群とのこと)は非常に楽しみになったので何とか日程をやりくりしてまた見に来る予定。
それにしても何故こんなにKERAの作品は肌に合うのか、という疑問について以前仮説を立てたのだが、KERAも脚本を書く際に頭に観客を思い浮かべるはずで、そのKERAの頭の中にいる理想の観客、「観客のイデア」とでもいうべき存在が実は俺なのではないか。もっといえばKERAにとって理想の観客とはKERA自身に他ならないので、実は俺はKERAなんじゃないか。似てると言われたこともあるし。そういえば俺は諸事情により結婚願望等は全くないのだが、唯一本当に結婚する可能性があるとすれば緒川たまきだな、とかなり以前から思っていたのだ。そうかついにその願いが叶ったか。
結婚おめでとう、俺。