3月16日は映画祭の日

 無事何とかなったので本日は映画祭の日に決定。ということでガンダーラ映画祭*1フランス映画祭*2をハシゴ。
 そんな真似するなよ、と自分でも思いつつ明日中に帰らなければいけないという切迫したスケジュールの中、フランス映画祭の当日券がネットで取れてしまった、しかもかなりいい席が(多分、当日券で用意されていた一番いい席)、という状況での苦肉の策なのだ、と涙目で決定。よって、ガンダーラ映画祭はBプロだけの参戦。正直、いつもの如く迷うかもしれんので、おとなしくフランス映画祭2本にした方がいいんじゃないの、とも思ったけれど「頑張れ俺。だって立川より近い(まだ言うか)」と奮起して下北沢へ。予定通り迷ったものの、グルグル回ってるうちにちっちゃいポスターを発見して無事ラ・カメラに到着。
 開始早々「各作品とも予定時間を大幅にオーバーしてしまったので、終了が8時30分頃になってしまいます。申し訳ありません」とアナウンスされて顔から血の気が引く。俺の完璧なスケジューリングが…愕然とするものの、いや時間的にはそれでも大丈夫なはず、と気を落ち着かせて鑑賞。感想は既に書かれている方々と大差ないんだが、自分が見たBプロでは松江哲明監督の『童貞。をプロデュース2〜ビューティフル・ドリーマー』と村上賢司監督の『俺の流刑地(略称・俺ルケ)』が大変面白くて興奮した。
 特に「童プロ2」は今回の童貞くんことドリーマーにまつわる全て(彼の部屋、彼の監督した作品、友達との新年会、家族とのやりとり、ブックオフめぐり、スクラップ帳、勤務先、そこでの狼藉、エトセトラ)が面白く、いやちょっとあまりにも面白すぎるので、タイトルも「ビューティフル・ドリーマー」ということだし(松江監督は見てないとのことですが)最後は「全部ウソぴょん」で終わるのかと思ったくらい。いや、最初はチラと思っただけなんだが、途中に先日見た「松ヶ根乱射事件」にて、大半は「田舎じゃあるある」と思いながら見ていたものの、一箇所だけ「こりゃあ、さすがに実際は無いだろ」と思っていたシーンがドリーマー君によりまんま実演されてしまう、という衝撃的なシーンがあったからで、もう嘘と言う事にしないと俺の脳内では処理不可能、といった状態にまで追い込まれる。というか、実際上映終了後も「あの島田さんという人は実在しないに違いない。万が一実在しても、元アイドルという経歴は嘘だろう」といった按配。確かめるために帰宅後検索してみたところ、その通りの経歴を示したページがいくつも出てきたので松江監督は天才的ハッカーgoogleもお茶の子さいさい、という結論に。ちなみに、自分は前作を見たことが無いので(それについて書かれた文章は幾つも読んでいるので、ある程度は把握しているものの)初見の方でも全く大丈夫だと思われます。
 村上賢司監督の「俺の流刑地」は何故今までなかったのか、考えれば考えるほど不思議な渡辺文樹監督密着ドキュメンタリー。もちろん、渡辺文樹本人のインタビューは面白いし、熟練のポスター貼り技術の記録映像としても、そしてことあるごとに撮影陣に気を遣ってくれる渡辺監督の映画愛にも胸打たれる内容なんだが、自分は他にも「映画監督とその家族」に関するドキュメンタリーとして非常に感動した。まず、村上監督がポスター貼りの車に呼ばれたところで、助手席に座る女の子の映像がちょっと映ってドキドキ(いや、変な意味じゃなくてな)。そして、上映会場での奥さんへのインタビュー、上映終了後会場を出て行く観客に向かって「ありがとうございましたぁ」と叫ぶ女の子の姿には感動の涙を禁じ得なかった。うぇうぇ。
 村上監督は渡辺監督から「最終的には映画以外の手段もありうる」という物騒な発言を引き出して、撮影は無事終了。ガッチリと握手をした村上監督は帰宅後、妻と息子に「もし渡辺監督が志半ばで倒れるような事があれば、俺が文樹イズムを継ぐ事になるやもしれぬ。そうなったら、妻よ。息子よ。お前たちは俺に付いて来てくれるか?」と問うが如く(俺の妄想)カメラを向けるのであった。
 で、Bプロ終了。その後フランス映画祭へ向かう…んだけど長くなったんで明日。