リーピング (スティーヴン・ホプキンス) ★★★

 出エジプト記に記されている"十の災い"は全て科学的に説明可能、と劇中で豪語する主人公ヒラリー・スワンクの信仰を捨てた理由が、スーダンの難民キャンプにて夫と娘が虐殺されたから、という所々に妙な作り手の志の高さを感じるオカルトホラー。
 まあ、予想通り結局はエクソシスト1,2他の換骨奪胎以上のものは無いし、全体の雰囲気はかなり好みなものの、最後のドッカンドッカンで全部台無しだよなあ、と思ったわけですが、結局役に立つことは何もしてないヒラリー・スワンクがクライマックスに一休さんのとんち解説の如く神の意図を確信して叫ぶ様は(別に叫んだところで何にもならん)、まさしく狂信者の誕生といった趣でなかなかホラアな描写だったんではないか、と思ったり。正直、どうにかすれば「プロフェシー」レベルの傑作になる可能性もあったと思うんだけど、それじゃダークキャッスル作品にならないもんな。アナソフィア・ロブたんはやはりええ。

 あ、今調べたら「プロフェシー」「隣人は静かに笑う」でお馴染み、我等が電波映画の巨匠マーク・ペリントン*1の新作がやっとこさ準備されてるようで嬉しい。そのうち一つのタイトルが"Electric God"って内容知らんがこりゃたまらんな。