ハッピーフライト (矢口史靖) ★★★★

冒頭の説明ビデオが全く映画内で浮いてない事からも分かるとおり、これ一本でまるまる航空業界紹介長編ビデオとなる上に、上質のコメディでもあり、「機内で見ることが可能な航空(小)パニック映画(実際に試写会があったらしいが)」でもあるという、二重三重に厳しい綱渡りを見事完遂した矢口監督の手腕に脱帽。すげえ。
ただ、あまりにもよく出来ているので、矢口監督のトレードマークとでも言うべき、映画リアリティ放棄のやけくそシーンが今回全く無く、これでは伊丹→周防ラインの完全な後継者ではないか、という危惧も「ひみつの花園」が一番好きな自分としては若干持たざるを得ないが、ヒットさえすれば次回作も好き勝手に作ってくれるはずなので、座して待つとしよう。